気を付けよう!不動産トラブル

ケース01 書面と実測とで坪数が違っていた!

大手の仲介業者を通して、中古一戸建を購入したにもかかわらず、
敷地を実測したみたら、書面では100坪あるはずが90坪しかなかった!

1 トラブルの内容 購入した土地が、分筆して分けられた残地だったため、書面上の地積と実測とが異なっていたというケース。元地(分筆する前のもともとの土地)そのものの地積に、誤まりがあった可能性もあり、その場合、差引きとなった残地へシワ寄せがきてしまうことがあります。特にこの敷地は、平成6年頃に分筆作業が行われた残地だったため、地積更正は行われておらず、登記情報も以前のままで、売主さえもその事実を知らなかったというから驚きです。
2 トラブルの原因 やはり仲介業者の調査不足、もしくは経験不足が主な原因でしょう。おそらくこの担当者は、登記所より取得した地積測量図と、それに基づいた登記簿記載の地積を鵜呑みにしてしまったのです。「公簿の書類はすべて正しい」と思い込むことは、経験不足の仲介担当者によくあることです。

公簿上の書類には、公信力はありません。仲介業者であれば、まずは疑いの目で見るべきです。先で述べたように、この敷地は分筆の過程が元地より差引きされた残地となっているわけですから、地積測量図にはその算出過程が載っているはずです。そこを見過ごさずしっかりと見ていれば「あやしい…」となり、契約前に測量を入れるように売主に頼むなどして回避できたはずです。

そもそも契約をする前に、基本的な事前調査を担当者自らが巻尺を持って実測してみれば、10坪も誤差があれば気づいたはずです。そういう意味でも、登記所の公簿書類を信じきって調査を怠った、という点が一番の原因でしょう。
3 トラブルの解決 この案件の解決には、1年近い時間を要したようです。買主から責め立てられ、売主からも突き放された仲介担当者は、白旗を揚げて上司に相談しました。状況的に仲介責任を免れられないと考えた上司は、①売主の兄弟が所有する隣接の更地の内3坪程度を、買主へ無償譲渡すること、②「①」の分筆費用を仲介業者負担とすること、③買主へ仲介手数料の半額を返還すること、以上の和解案を提示し、長期間話し合いを行った上で解決しました。
4 予防するには? 上記のケースは、裁判沙汰になっても仕方のない話だと思いますが、仲介業者の立場から言わせていただくと、この程度の負担で解決したのは運がよかっただけで、けっして褒められた和解案ではありません。この件で費やした売主・買主・業者の精神的負担や経済的損失は小さくないはずです。

このケースからも分かるように、誰かが悪意をもって不動産取引を行ったわけではありません。ただ、仲介業者が公簿書類を完全に信じてしまったところに、大きな落とし穴があったわけです。だからこそ怖いのです。不動産取引がスムーズにいくかどうかは、相手の人柄の良し悪しで決まるのではなく、いかにトラブルの要因を事前に予見・察知できるか、といった経験がものを言うのです。

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